NPO法人ジャパンハーベスト

選べる喜び、食べる幸せ。「今日は何を食べようか」と思える支援を

先日、農林水産省の出先機関である中国四国農政局を訪問し、賞味期限が3ヶ月ほど残っている備蓄用缶詰を受け取った。これは災害備蓄として保管されていたものであり、期限が近づいたことで私たちに提供されたのだ。

缶詰は常温保存が可能であり、管理も容易であるため、食料支援の現場では非常に重宝される。種類も豊富で、受け取った方が中身を見て「今日はこれにしよう」と選ぶ楽しみがある。つまり、栄養や保存性だけでなく、「選べる」という喜びを提供できる貴重な食材である。

ジャパンハーベストは生鮮食品に特化した団体ではないが、実際に私たちが引き取る食品の多くは冷蔵・冷凍を要するものである。

たとえば、納豆、ヨーグルト、豆腐、牛乳、漬物、ピザ、生ラーメンなど。果物や野菜などの農産物も多い。さらに、子どもたちに人気のある菓子パンやスナック菓子なども受け取っている。

ある日、パンを届けた家庭で、ひとりの女の子が「チョコパンがある!」と声をあげて駆け寄ってきた。母親は「普段は好きなパンを選べないから、あの子、本当に嬉しそうでした」と話していた。

このような場面に、私たちは何度も立ち会ってきた。空腹を満たすだけではなく、「自分の好きなものを選べる」という自由と喜びを届けているのかもしれない。

生鮮食品を扱うことには、当然ながら大きな責任とリスクが伴う。温度管理や期限チェック、迅速な配送体制など、高度なオペレーションが求められる。私たちのような小規模な団体にとっては、大きな負担である。

それでも、生鮮食品を届ける価値は非常に高い。缶詰や常温食品だけでは得られない、「選ぶ楽しさ」「食べる幸せ」がそこにあるからだ。

支援の先にある喜び。私たちは、そんな小さな幸せを、今日も食品と一緒に運んでいるのだ。

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